はじめに
一級建築士の製図試験は、作図の練習を一定量しないと合格することは難しく、短期間で集中して作図や勉強に取り組む必要があります。
この試験の主戦場は、予備校ではなく、『自習をする場所』であることに違いありません。
このため、自習環境をいかに構築するか、という点について、コロナ禍等の最近の傾向も踏まえて今回は考えたいと思います。
ちなみに、私は、タイトルにある、『自宅で6時間半(本試験と同じ)のタイムスケジュールで試験問題を完遂』したことは、ありません。。。
できる人は、マジですごいと思います。
自宅で勉強の難しさ
みなさんは、自宅で勉強するのは得意でしょうか。
私は、自宅での勉強は苦手でした。
自宅で勉強に集中できない理由は、簡単です。ざっくり大きな要因は下記だと考えています。
- 勉強以外のことをしてしまう
- 気が散る(同居人がいる場合等)
①勉強以外のことをしてしまう
これについては、視覚的に気の散るようなものが目に入らないような環境を作れば大分改善されると思います。
書斎的な一室があれば、自宅で勉強することも可能です。第一段階クリアだと思います。
さらに第二段階としては、衆人環視下に身を置くということです。最近は、ZOOMやyoutubeなどで、あえて人に見られる(怠けられない)環境を作って勉強している人が多いようです。
ZOOMなどで勉強仲間を募集している人も結構見かけますし、youtubeで勉強動画(study with me的な)を出している人も沢山います。また、LIVE配信という誤魔化しのきかない手法で、自分を誰かに監視してもらうというのも手だと思います。私が受験生の時にも作図の様子をLIVE配信している人はまれにいました。
また、スマホ(iphone等)の機能でタイムラプスというコマ送り撮影機能があるのですが、そちらを使った『タイムラプス勉強法』を実践している人も結構多いですね。
これは、一定の集中力向上効果はあると思います。
②気が散る(同居人がいる場合等)
また、同居人がいる場合は、話しかけられたりするのもの勉強に集中するという点においては、大きな阻害要因となります。
私は自宅学習する際、BOSEのノイズキャンセリングヘッドフォンを着用していました。
これは効果があります。確かに。
そして、マイクも付いているので、作業環境の向上の他、最近では、電話会議やWEB会議の際に重宝しています。
そしてさらにこのヘッドフォン1度壊れたのですが、その時、保証期間外であったにも関わらず、『今回だけよ(うっふん)』と無料で新品に交換してくれたりもしました。
BOSE最高。さて、ヘッドフォンの話はこれくらいにして、話を本題に戻します。
BOSE最高、しかし!
しかし、やはり私の場合は、最終的にはやはり集中度はイマイチをいう結論に至りました。
それはなぜか。。。
それは、やはり私が以前入居していた社宅では、書斎的なスペースが確保できなかったので、自宅で製図の勉強をしようとするとリビングで勉強する必要がありました。
生活の拠点と言ってもよいリビング(ダイニング)です。
片や、地獄に片足を突っ込むほどに集中作業する私、片や、この世の楽園(娯楽)に耽溺するワイフ。(否、ワイフも居ずらかったと思うが。。。)
上手くいくはずもありません。
かといって、娯楽はやめなさい、じっとしていなさいなどともなかなか言えません。
よしんば、自主的にそうしてくれたとしても、
上手くいくはずもありません。
何か、一緒に食事をしているにも関わらず、片方は、ヘッドフォンをして関わりを一切絶っているいるような、そんな気持ち悪さはどうしても残るのです。
やはり、物理的に同居人が気にならない環境を作るのがベストと考えました。
そして、
私は、家を出ることにしました。。。さらば、マイホーム!
そうだ予備校の自習室へいこう!
まず一番受験生が勉強しやすいのが、予備校が用意してくれる自習室です。授業料を払っていれば、無料で使用することができるし、自習仲間がいるからです。
そして一番のメリットは、製図板を使って勉強することについて、一切気を遣わなくてよいからです。
じゃあ、今すぐ予備校行けば、それでQEDじゃないの、あんた!と思われるかも知れませんが、単純にそういう訳にもいかないのです。
各予備校の自習室についての個人的な感想
予備校の自習室開放事情はまちまちです。
私の経験では、総合資格やTACは結構自習室を開放してくれますが、日建学院の自習室開放率はイマイチだった気がします。
日建学院は、お盆明けから、そこそこ自習室開けてくれた記憶があります。ただそれでも、使えない時も結構あって、私は懊悩していました。
これは、私が通っていた日建学院の場合、講習を貸会議室中心で行っていたことによると思います。常設の講義スペースもあるのですが、そちらは、他の資格対策の講義に使ったりしているのです。こういった『必要なスペースを都度借りる』とい運営スタイルだと、なかなか自習のために貸しスペースを借りようとはならないのだと思います。
一方で自社ビルや自社の賃貸ビルで講習が完結する場合は、空いているスペースは活用しないと逆にもったいないので自習室は、『田舎のコンビニレベル』で空いています。(夜はしまるけどね)
エアコン代と照明代程度の費用で合格率が上がってくれるのであれば、予備校からすると『割のいい投資』なのです。
もう少し自習室の特徴について、コメントしておきます。
日建学院
日建学院の自習室のいいところは、あらかじめ講師がくる日がスケジューリングされていて、その時に質問ができる点です。
質問があるうちは、この時間がとてもプレシャスで、愛おしいものです。
ただ、あんまり質問することがなくなってくると、逆に講師に話しかけてもらえるのが、逆におっくうになったりもします。
開放されている時間や期間はそんなに優秀ではありませんが、環境的には結構好きです。
ですが、自習室の利用率は、なぜだかあんまり高くないです。総合から日建に移って一番カルチャーショックだったのが、講習がほぼ定時に終わって、終わったら、受講生は一目散に帰宅することです。なかなかみんなで自習室で勉強しようという感じにはなりません。現代の二宮金次郎と言われた私と一部の受講生を除いては。。。笑
まぁ、これについては、自習室でなくても勉強できる自律したオトナが多いという可能性は否定できません。
私の肌感覚では、受講生の年齢は、下記のような感じです。
総合資格<日建学院≒TAC
なぜだかわかりませんが。。。
日建学院の自習室の思い出は、自習室の開放日に合わせて年休を取って自習していたら、教務の人から「シ、シ、シゴトしてるよね?」と、無職を疑われたことです。
自習していたら目立つくらいに自習室が空いています笑
総合資格学院
総合資格の自習室は、たんまりとスペースがあって、開放されている時間や期間も長いのです。しかも、自習室を起点として、受講生みんなでなんとか乗り切ろうという仲間意識も生まれやすいと思います。
はっきり言って、良い環境。
ま、教務関係の人はイケスカン人が多かった気がしなくもないですけど。。
TAC
TACは他の資格(主に会計等)の資格対策をやっている受験生がごまんといるので、結構刺激になります。
ただ、私が通ったことのある校舎では、自習室は、製図板使用可能な自習室や、電卓使用可能な自習室、そうでない自習室みたいにカテゴリー分けされていました。
むろん、一級建築士の受験生が使えるのは、製図板使用可能な自習室です。エスキスや記述対策には他の自習室を使うこともできます。
安めの講座を取って、TACの自習室を使わせてもらうというのもいいかもしれません。
製図板を持ち運びたくない!
TACに通っていた時の話です。
比較的新参モノのTACは、製図板は製図板を置かせてくれませんでした。
あそこは、ロッカーを有料で受験生に貸し出すシステムがある手前、『無料で製図板を預かる』というスタイルはなじまないのです。
そんな命の次に大事なモノ預かれません、逆に、持って帰って製図板と寝なくて大丈夫ですか?と言わんばかりにお断りされるのです。
TAC様の言い分は分かりました。
でも、毎回製図板を持ち運びするのが面倒くさい私は、トランクルームを借りることにしたのです。
当時(2017年頃)色々と調べましたが、最強のトランクルームに出会ったのです。
価格設定とルームバリエーション、サイジングにおいて、このトランクルームは最強でした。大阪のアメ村限定ですが。。。
確かキャンペーンとかもあって3ケ月借りて8千円程度だったと記憶しています。
ミナミのど真ん中に驚愕の209室を誇る、アメ村を代表するトランクルーム。
契約月の賃料はどの部屋タイプも500円。
駅徒歩5分。
24時間使用可能・エアコン完備・シャワー室あり。
快適なレンタルスペースライフを楽しめます。
https://www.homes.co.jp/trunkroom/b-11052/
世のトランクルーム経営者は、このトランクルームを見習っていいの作ってほしいものです。(←何様!?)
ここは、その便利さから、色々な人が出入りしていました。
よく交差点に立っている宗教法人の方々が、勧誘グッズを格納しているのも何度か見かけました。
あとはバンドマンだったり、男性だったり、女性だったり、ただただトランクルームが好きな人であったり。。。
あと、トイレ、シャワー、エアコン完備なので、住めるんじゃない?と思いました。
さすがに住みそうな人は、入居させないと思いますし、住んでたら追い出すと思いますが笑
作図ができる場所を探して3千里
私は、予備校の自習室が開いてない間は、自宅以外のサムウェアで勉強するしかなかったので、苦労しました。(作図をフリーハンドに切り替えてからは、若干軽減されましが)
机広くて、席数が多くて、そんなに混んでいないCAFE
勉強がしやすそーなカフェを探して、勉強します。
比較的近所にあったMac Cafe(普通のMacじゃないやつ)などは比較的この条件を満たしていて、重宝していました。
ただ、カフェでは、フリハンで作図はできても、製図板は無理だと思います。
図書館?
図書館で作図をすることができる。そんな噂を何度か聞いたことがあります。
しかし、私のリサーチ能力の低さから、そのような図書館はなかなか見つけられませんでした。
静粛な図書館で作図をしなするアブノーマルな方がいるのか、そういった素晴らしい図書館があるのかは定かではありませんが、なかなか難しいかもしれません。
万が一、そういった素晴らしき図書館を発見された方がいたら、それはコソっと胸の内に留めておいて、しれっと使い倒しましょう。
SNSで拡散などした日には、もうおしまいです。人が殺到して、図書館側も製図禁止!板の持ち込み禁止!建築士の受験生立ち入り禁止・・・?!など対策を打ってくる可能性が高いですので。
有料自習室という選択肢
有料自習室も製図板を使って自習できるところがあります。
全てのところでできるという訳ではないと思いますが、調べれば少しは出てきます。
実際に自習室の運営会社に問い合わせするというのもよい方法だと思います。
他にもBizComfortの自習室は、製図板使ってもいいとのことでした。こちらは気軽に使える感じがいいと思います。
施設見学した時に案内してくれた人に確認。念のために再確認は必要です。
ここは、製図を応援する気満々っぽいです。
また、何も自習室である必要はありません。レンタルスペースとして、さまざまな場所を借りることができるスペースマーケット(SPACE MARKET) というサービスもいいと思います。
この手のサービスは、コロナ禍では、逆に買い手市場となっているので、破格で使えることも結構あると思います。
あと余談ですが、こういったニッチな市場を攻め始めるのは、なんか大阪起点のものが多い気がしています。商人魂が今も根付いているということでしょうかね。
やっぱり自宅という選択肢も
自宅で集中して勉強する唯一の秘法
それは、早起きです。
早起きさえできれば、だれにも邪魔されず、勉強をすることができます。
私は早起きは得意なほうですが、どうしても眠たい時は、こいつを使っていました。
これは、どうしようもない時の秘策として、試験勉強とか関係なく今でも使っています。
船を漕ぎがちなつまらん会議などに出るときや、だるくてやる気がしない時など。
ただ、カフェインは、注意しないと徐々に摂取量を増やさないと効かなくなったりするので、使用量や、頻度のセルフコントロールはマストです。
さいごに
いい自習場所が見つかった人にも、見つからない人も平等に試験日はやってきます。
やるしかない。
やるしかないから、やるしかない。有吉君もいってたしね。
ま、言わされてるんだと、思うけど。