【一級建築士製図試験】印象の良い図面を書くコツ(レタリング、線種使い分けなど)

はじめに

一級建築士の製図の採点項目の一つに、『印象点』というものが存在するといわれています。

毎年必ず存在するか、どの程度の配分なのかなど、詳細は闇のなかですが、一つだけ確実に言えることがあります。

印象のいい図面を書いたほうが受かりやすいという点です。

採点官も人間なので、パッ見の印象は厳しく採点するか、ちょっと甘めに採点するかに出てしまうというのです。

では、印象のよい図面とはどういったものでしょうか。

これは私の主観も入るのですが、印象の良い図面のポイントは下記の3つだと思います。

  1. 線種の使い分けがしっかりできている(メリハリのある図面)
  2. レタリングが綺麗(記載内容がスゥーッと入ってくる図面)
  3. アート性がある(見とれるほどきれいなフリーハンド図面など)

③のアート性については、誰もが実現できるものではないので、特別、腕に自信がある人以外は、早々にこの領域はあきらめましょう。

私の以前通っていた予備校(N学院)の講師が作成した図面は、いかにもアートな感じでした。

プランニングなどは全く問題にならず、図面の表現力のみで、「合格!」と叫びたくなるような図面です。

記念に写真に撮らせてもらいましたが、勝手にブログに載せるわけにはいかないので、

フリーハンドになじみのない方は、この本などで、美しいフリーハンドイメージを掴んでください。


国内外の名だたるホテルに宿泊して、ひたすらフリーハンドで図面を作成するという職業病を患われている異能の才人(浦一也さん)が書いた本です。

 

よって、無難に誰もが狙える領域で、攻略すべきは、①と②です。

着実にモノにすることで、図面の印象がよくなります。具体的に見てみましょう。

 

①線種の使い分け

線種の使い分けとは、太線、中線、細線などの線の種類を適切に使い分けるということです。

適切に使い分けるとは、例えば断面線は、太線で書きましょうとか一定のルールが決まっているので、それに沿って書くことです。

線種の使い分けのために、1本のシャーペンでする人もいますし、複数の芯の太さのシャーペンを駆使する人もいます。

こればっかりは人それぞれなので、自分に合ったものを探しだすしかありません。

時短なのは、間違いなく1本のシャーペンでやる方法です。

私自身、平行定規を使ったり、フリーハンドで作図したり、色々していたのですが、

並行定規で作図する時は、0.7㎜のGRAPH1000一本で線種の使い分け、


フリーハンドで作図する時は、0.5㎜のsmashで線種を使い分けしながら書くという具合に謎の使い分けをしていました。


 一般的には、0.5㎜で使い分けるひとが多いみたいですが、しっくりこなければ、0.7㎜も試してみてもいいかもしれません。

②レタリング

レタリングの良しあしが、印象に与える影響は大きいです。

予備校の先生の中でも、「図面は汚くてもなんとかなる」というスタンスの先生もいますが、そういった人でも、字だけはちゃんと書くように指導している印象です。

レタリングの基本は、文字を文字とは思わず、記号として書くということです。

そして、文字を書く際の「ハネる」という部分を一切排除して、「トメる」に変えることです。

後は、一定間隔に書くなど、一般的に見栄えの良い文字となるように書けば、代替OKです。

ハネるをトメるに変えるだけでも大分効果がありますので、図面の字が汚いと指摘されたことのある方は、試してみてください。

 

③アート性

これについては、そもそも私にアート性はないので、何とも言い難いです。

見た目の印象を向上させるための余裕のある人のアソビとして、こういうことをやっている人もいるという一例を紹介してみます。

植栽や外構は、建物を引き立て役でありながら、図面を平行定規でカチッと書いても、若干遊ぶ要素のある部分です。

植栽に味を出すために、擦筆(さっぴつ)というボカシ用の鉛筆のようなもの?を使うという技法もあります。

予備校の先生によっては、「そんな意味わからんこと止めなさい」といわれるかも知れませんが、余裕があれば、使ってみるといいと思います。

最新情報をチェックしよう!