はじめに
病院でもらった処方箋をとりあえず帰り道にある調剤薬局にもっていっていないでしょうか。実は、調剤薬局にも色々と種類があって、料金体系が異なります。同じ薬を処方してもらうのであれば、なるべく安いところで処方してもらいたいものです。
今回は、調剤薬局でのお会計の中身について、解説したいと思います。1回当たりの節約額は大きくありませんが、定期的に薬をもらっている方は、見直す価値があるかもしれません。
調剤薬局のお会計のしくみ
薬局で支払う「お会計」は、厚生労働省が定める「調剤報酬点数」によって決まっています。1点=10円で換算し、これに自己負担率(社会保険や、国民健康保険に入っていれば3割)をかけたものが会計の時に支払う金額となります。
調剤報酬点数は、下記のような構成となっています。
- 調剤技術料
薬局の機能やサービスによって加算される点数 薬局により異なる - 薬学管理料
薬剤師が患者の使用している薬の情報を薬歴として、記録・管理したり、情報提供したりする際に加算される点数 薬局により異なる - 薬剤料
薬そのものの点数 どこの薬局でも同じ - 特定保険医療材料料
糖尿病治療のインスリンや、在宅医療の輸液などの特定医療材料の点数 どこの薬局でも同じ
薬局によって異なる①、②の点数の仕組みについて、さらに細かく着目していきます。
①調剤技術料
調剤技術料は、さらに下記のような構成となっています。
- 調剤基本料
- 調剤料
- 各種加算料
薬局によって費用が異なり、素人が気を付けておきたいポイントは、①の調剤基本料です。
調剤基本料は、薬局の立地や、処方箋の受付回数によって下表のように点数が異なる仕組みとなっています。簡単に言うと、お客さんが多く利用する薬局は、相対的にサービス提供にかかる費用(施設の維持費など)が安くなるので、料金が安めに設定されているのです。
基本料の種類 | 調剤基本料1 | 調剤基本料2 | 調剤基本料3 イ/ロ | 特別調剤基本料 |
点数 | 42点 | 26点 | 21点/16点 | 9点 |
主な薬局のタイプ | 街中などにある小さな個人経営の薬局 | 大型病院の前にあるチェーンの薬局(門前薬局) | 病院の中にある薬局(敷地内薬局) |
※2020年4月時点
また、薬局によって異なる点数として、地域支援体制加算というものがあり、厚生労働大臣が定める施設基準に適合している薬局では、38点加算されます。こちらの詳細な基準は省きますが、夜間休日の対応を手厚くしているなど(他多数)です。
この他にも、点数の算定基準があり、実際の調剤基本料の計算方法は、もう少し複雑です。概要としてとらえてください。
②薬学管理料
これは、薬の使用履歴を薬剤師が管理する際に加算される費用ですが、お薬手帳の有無によって、異なる場合があります。
- お薬手帳持参で3ヶ月以内に再度同じ薬局へ行った場合→43点
- お薬手帳なし、あるいは、3ケ月を超えて再度薬局へ行った場合→57点
わずかながら費用が異なることと、お薬手帳で薬の履歴を管理することは、副作用を防ぐなど、利用者にとってもメリットが大きいので、お薬手帳は持っておいたほうがよいでしょう。
まとめ
よく薬を処方してもらう人にとっては、調剤薬局でかかる費用はチリツモです。なるべく費用の安くて、信頼できる薬局を探しましょう。
今回は、料金面のみ解説しましたが、やはり、頼りになる薬剤師がいるなど、料金以外の面も総合して、薬局を選ぶ必要があります。目安の一つとして、ご参考にしていただければと思います。
2017年から始まったセルフメディケーション税制という医療費控除制度をご存じでしょうか。これは、高騰する国の医療費を低減するために設けられた制度です。一見お得なのですが、トータルで見ると、ちゃんと医者にかかって、薬局で薬を処方してもらったほうが安上がりとなることが多いです。なので、私は、極力、医者にかかるようにしています。