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一級建築士製図試験 おすすめ製図道具 24選+α

はじめに

一級建築士の製図試験は、6時間半ぶっ通しの長丁場の試験です。試験時間が無茶苦茶長いので、デキる人は、時間が余るんじゃないかと思われるかもしれません。しかし、実際は、最後の最後までバタバタしている人がほとんどです。デキる人はデキる人で、少しでも図面の完成度を上げることに奔走しています。つまり、誰しもが、秒を争う環境の中でしのぎを削っているのです。試験時間内にベストアンサーを作るのは、ほぼ不可能だといわれている競争試験なので、基本的に時間が余るという人はいないはずです。このため、作業効率化のために、具で解決できるところは、道具で解決するという考えを持つことが重要です。多少お金がかかっても、不合格になって辛酸をなめることを考えるとたかが知れています。という訳で、今回は、あらゆる製図道具を試しに試した著者が、一級建築士合格のために費やす労力と時間を最小限にするための最強ツールを、持て余すことなく、紹介したいと思います。メジャーな道具は、ほぼ試したので、道具選びに迷うことがあれば、お気軽にご質問ください。ちなみに私の受験の後半戦は、日建学院に通っていましたが、全国模試での最高順位は2桁でした。

おすすめ製図道具

初受験の受験生用に予備校で一通りの製図用品をまとめたパッケージ商品を販売していますが、私は個人的にはオススメしません。なぜなら、道具を極めていく過程で、パッケージで買ったツールは、最終的にほぼ残らないからです。(経験談)

①製図板

断言します。製図板は、この一択です。製図板を選ぶ上で一番重要なのは、軽さです。この製図板は、他の製品の群を抜いて軽いです。製図板は、結構持ち運ぶことが多いので、重いものをもっていると、知らず知らずのうちに疲弊します。なので、極力軽いものを選びましょう。間違いないのは、下記のMAXという会社のものです。私以外にも色々な方が太鼓判を押す間違いない商品です。


時々、レモン画翠の製図板を勧めている人がいますが、レモン画翠の製図板≒MAXです。別注モデルのような感じだけど、ほぼ同じと理解しています。

私は、最初ステッドラーのマルスライナーという製図板を使っていましたが、受験2年目の途中で壊れしましました。修理に持っていったところ、2週間くらいかかるというので、もう一枚買いました。予備校に置く用と、自宅用で使い分けができるので、無駄ではないと考えたからです。

ちなみに重さは、MAXの製図板が、2.5㎏に対し、ステッドラーのマルスライナーは、3.0㎏です。
ムトーのライナーボードという製図板もMAXと同等の軽量級です。持っている人をちらほら見かけましたが、使ったことないのと、値段はMAXより高いので、おすすめは控えておきます。見た目はそちらのほうがオシャレかもしれません。


②シャーペン製図用

製図用のシャープペンは、答案にダイレクトに影響があるので、一番こだわるべきツールです。こだわりポイントは、疲れにくさと、書き味です。

疲れにくさについては、試験時間(6時間半)中と、試験勉強期間(主に7月~10月)でのヘビーユースに耐えられるかの2点を考慮しなければなりません。試験期間中は、図面を書いて、書いて、ひたすら書きまくらなければならないのです。長い間試験勉強をしていると、指に違和感を感じたりする方もいるようです。このため、結構重要なポイントです。

書き味については、人によって書き方のクセがあるので、マイベストは自分で探すしかありません。なので、ある程度いろいろ試してみることをオススメします。私の場合は、書き味については、smash一択でした。このシャーペンは、熱狂的なファンがいる名作です。

疲れにくさについては、こちらの低重心タイプのシャーペン S10がおすすめです。驚異的に疲れにくいです。

私の場合は、基本的にsmashが大好きだったので、メインでは、smashを使用していました。ただ、長期間勉強しているとどうしても指が疲れてくるので、時々、指への負担が少ないS10を代打で投入していました。

 

続いてペンの太さについては、製図試験の作図の基本は、0.5㎜のシャープペンを使って、線種(太線、中銭、捨線)を書き分けることです。ただし、線種の書き分けが苦手な場合や、よりメリハリを利かせて綺麗な図面を作成したい場合は、0.7㎜あるいは、0.9㎜のシャープを1本レパートリーに追加してもいいと思います。

私が使っていた太めのシャープは、こちらです。こちらも定番です。ちなみに、こちらの製図用シャーペンをやや筆記性能をアップさせたのが、実はsmashになります。smashは実は、製図専用ではないのです。

また、サイドアイテムはソフトグリップがおすすめです。こちらのようにするとフィット感もよいです。私の周りでは、その見た目から、”プードル”と呼ばれていました。ちなみにこのやり方は、私が開発しました。多分。

プードル

③シャープペン筆記用

筆記用シャーペンは、図面への文字入れや、文章記述(計画の要点など)に使用します。先ほど紹介したsmashを兼用することができますが、個人的には、下記のクルトガアドバンスをオススメします。

おすすめポイントは、下記の2点です。特に②は、普通のクルトガにはない機能で、おすすめです。

  1. クルトガ機構によりペン先が常にとがっていて、シャーペン
  2. スライドパイプによってワンノックで芯1本使いきれる。これが、結構ノーストレスでいいです。


ちなみに、私は普通の使っていましたが、ちょっとお高いですが、もうちょっとおしゃれなのも出たみたいです。

グッドデザインなので、ちょっと気分アゲたい人はこちらのほうがおすすめかも。

④シャープ芯

Hi-Uniの一択です。芯の硬さは、Bを基本にする人が多いです。あまり柔らかい芯を使うと、こすれて図面が黒くなりやすいので、Bが合わないなと思った場合は、その点も考慮して、ちょうどいい硬さを見つけてください。ちなみに、Hi-Uniは、0.7㎜、0.9㎜のラインナップがないので、太い芯を使う場合は、通常のUniを使うとよいと思います。


⑤三角定規(大)

大きい三角定規は、縦の捨て線を引くときに使用します。ポイントは、平行定規をスライドさせることなく、一発で縦線が引けるかどうかです。一発で縦線を引くためには、だいたい、42㎝程度の長さが必要になりますので、購入の際は注意しましょう。ちなみに、セットで売っている二等辺三角形のほうは、まったく使用しません。バラ売りがあるといいんだけどね~。


⑥三角定規(メイン)

メインで使用するこちらの一択といっていいと思います。私の経験上、受験生の7割くらいは、こちらの定規使っている気がします。それくらいメジャーなものです。

フローディングディスクを取り付けることで、図面と定規の密着面を減らして、カスレを最小限にすることができます。フローディングディスクが作図用紙に引っかかるのを防ぐために、私は、フローディングディスクの上にセロテープを貼っていました。

⑦三角定規(細かな作業用)

こまかな作業用に、小回りの利く三角定規を用意することをオススメします。こちらの商品がおすすめできるのですが、廃盤となってしまっているので、自分で、小さい三角定規を購入して、取っ手を付けるなどDIYするというのは、いいかもしれません。

3L griffitという商品なのですが、なかなか市場で売っていないので、私がメルカリで売り払った際の写真を載せておきます笑

グリフィット

⑧スケール

スケールは、三角スケール(通称サンスケ)が一般的ですが、個人的には、こちらのヘキサスケールをオススメします。

⑨テンプレ

正円が書けるテンプレートはおすすめです。問題を解いていると、直径6~8メートルの円が内接できるスペースを確保するような指示があることが多いです。その円を図面に記載するために、通常は、コンパスを使いますが、このテンプレがあれば、コンパス無しで素早く作図することができます。直径8mの円迄対応

※さらに大きい円の作図が要求されたときに備え、念のため、コンパスも用意しておくことをオススメします。

⑩電卓

電卓は、この一択です。雲母未来さんがおすすめしていていたので、使ってみたら、これが使いやすい。計算式の修正ができるので、計算途中でミスしても慌てることがありません。精神的に落ち着きます。

※念のため、ルート計算ができる電卓も用意しておくことをオススメします。
ちなみに雲母未来さんとは、この本の作者です。初回の受験生は消化不良になる可能性が高いのでおススメできませんが、余裕があれば一読してみてもいいかもしれません。

はい、話脱線しました。。。

⑪フリクションペン

これは、問題文へのチェック、書き込み、エスキスを中心に色々使います。使い方は多岐にわたるので、割愛しますが、かなり多くの受験生が使用しています。

あえてコメントするのであれば、2019年に発売された0.4㎜のものが絶妙な筆記感です。

また、多用するがゆえに、専用の消しゴムもあったほうがいいです。なぜなら、頭についている消しゴムが摩擦でいつか無くなってしまうため。

⑫サインペン

エスキスの際、柱をプロットするのに使用していました。

これは、特にこだわりもないので、その辺に落ちているやつを使ってください。できれば太めのほうがいいです。

⑬蛍光ペン

蛍光ペンは、主な使用目的は、問題用紙の重要ポイントのマーキングです。マーキングの仕方は人それぞれですので、予備校や、他の人のやり方を参考にして、自分に合うやり方を探してください。

道具は、意見が分かれるところです。下記の2択だと思います。気に入ったほうを選んでください。


マーキングは、ピンクと、イエローしかしないという方は、BeetleTipがおすすめです。持ち替えが不要なので、圧倒的に時短になります。ちなみに私は、このBeetleTip以外だと、キャップ付きの蛍光ペンはオススメしません。稀ですが、キャップを落としたりすると、気が散るのと、キャップを外すという行為自体が無駄だからです。試験中は、ずっとキャップ外しておけばOK?と考える人もいるかもしれませんが、ペン先が乾くのでやめたほうがいいでしょう。

私の場合は、ある程度カラフルにしたほうが、見直しやすく、ミスを減らすことができるかなと思ったので、どうせペン持ち替えるなら、、、、と思い、最終的には、ハンディラインSを使用していました。細胞レベルで、ノックが好きだったのかもしれません。

また、おすすめは、問題文をチェックする時に特に注意が必要な個所をマーキングする特別な一色を用意することです。私の場合は、紫色を使っていました。理由は、試験の問題用紙は、色が薄いブルーなのですが、マーキングした際に、目立ちやすいやすいからです。今回紹介するマーカーは紫色もラインナップがあります。

ちなみにこのBeetleTipというマーカーを日本で最初に製図試験に持ち込んだのは私だと言われています。知らんけど。

⑭色鉛筆

色鉛筆はマストではないですが、私はエスキスや、通常の学習の際に使用していました。芯を削らなくてよいので、シャーペンタイプがおススメです。使い方は、エスキスの時に、共用部のスペースをピンク色、管理部のスペースを水色、PSなどのシャフトを緑色などとルールを決めておいて、チェックしながら塗りつぶしていました。0.5㎜と、0.7㎜のものがあるのですが、0.5㎜をオススメします。理由は、0.7㎜の替え芯は、結構入手困難だからです。(大きめの文具店に行けば買えます。)私は、0.7㎜を買って少し後悔しました。

なんか、ちょっと女子っぽい雰囲気もあるけど、男子も使用可。いや、ジェンダーフリー!

⑮消しゴム

消しゴムは、3種類使用していました。通常ですと、字消し板というのを使って、細かい部分を修正するのですが、消しゴムを使い分けることで、私の場合は、字消し版を使用せずに乗り切っていました。周りでも、字消し板を使っている人は少数派だったように思います。

①大量に消すとき

ある程度まとまって、消しやすいものだったら、なんでもいいです。作図スピードアップのコツは、極力消しゴムを使わないことにあり!つまり、このアイテムは、気休め程度に。

②通常使用

これは、使いやすいですね。ほとんどこれを使っていました。

③細部の修正
ありがとう、mono。はっきり言ってこれがあれば、字消し版は要らないと思います。
【参考】字消し版

⑯刷毛

刷毛は、マストアイテムです。刷毛は、特にこだわりは強くないですが、ある程度大きいほうが使いやすいと思います。

使用目的は、消しカスや、シャープ芯の粉を図面から取り払って、図面がカスれるのを防ぐためです。図面をきれいに仕上げるためには、定期的に刷毛をかける必要があります。

ちなみに、消しカスを取り除くときに、息を吹きかけて飛ばす人がいますが、この方法は、おすすめしません。なぜなら、呼気に含まれる水分が図面に付着して、紙面の状態が多少なりとも変わるからです。

⑰ドラフティングテープ

ドラフティングテープは、特にこだわりポイントはないです。なんでもいいと思います。私は、下記を使用していました。

⑱手袋

手袋は、小指、薬指をガードするタイプのものが数百円で手に入るのでそちらを使用することをオススメします。図面がこすれて真っ黒になるのを軽減することができます。(あくまでも軽減です)

⑲ツールボックス

ツールボックスは、無印のものを使用していました。オススメポイントは、周辺グッズが充実していて、カスタマイズが結構できる点です。また、受験が終わった後は、普通に収納道具として使えます。

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4549738996446

⑳ドキュメントケース

図面の持ち運び、保存ように使用していました。A2サイズの図面をそのまま折りたたむことなく持ち運び、保存するのがベストなのです。ただ、いろいろ面倒なので、私の場合は、折り畳みを1回まで許容して、A3サイズで管理することにしました。


㉑時計・ストップウォッチ

作業時間を測るために、使用していました。スイッチオンの無音設定できるのがおすすめです。

練習では、スマホのアプリとかで作業工程ごとのラップを取るのがおすすめです。私はiphoneの標準アプリを使っていました。

㉒テープのり

これは、予備校でもらう大量のプリント類を製本して、マイ教材を作成するために使用していました。


ipadを使ってまとめ教材を作成することもやっていましたが、結局この紙に落ち着きました。ただ、予備校のテキストは重たいので、スキャンしてipadの中にいれていました。

㉓方眼ノート

日々の勉強に方眼ノート(5㎜方眼)を活用することをオススメします。サイズは、エスキス用だと、A4サイズ~A3がおススメです。エスキス以外だと、A5サイズが持ち運びに便利だと思います。

用途は、色々ありますが、主な用途は下記です。

  1. エスキスの取りまとめ。(A4 推奨)
  2. 予備校課題の別案検討。(A3~A4推奨)
  3. パーツトレーニング 階段や便所など定番パーツを書く練習(A4~A5推奨)
  4. レタリング練習(A4~A5推奨)
  5. 要点記述の記述練習(A4 推奨)
  6. 講義のメモ等(A4~A5推奨)

A4・A5 のノートとしては、こちらがおススメです。



おススメポイントとしては、1枚当たりの単価が割安。私の知る限り最安値。※

※値段は変動するので、保証はできません。

そして、プレカットが入っているので、手で簡単に切り離すことができます。


㉔勾配定規

これは、製図の勉強をしているとちょこちょこ使います。主に課題で、勾配屋根が指定された時です。ないと多少不便なので、持っていたほうがいいと思います。

持っていたら便利なアイテム

①滑り止めマット


これは、試験元から持ち込みが制限されたり、されなかったりする謎のアイテムです。

2020年度は、許可されていたようですが、数年前は名指しで禁止されていました。

そんなに場所も取らないし、効果もあるので、持っていて損はないアイテムだと思います。安く済ませようと思えば、100均でも売っています。

②養生テープと枕


↑養生テープ

一級建築士 枕

↑ これが枕

これは、主に試験会場で使います。試験会場によっては、机の奥行が足りず、製図板のツメ を立てれない場合があるのです。

そんな場合に備えて、予備校は「枕」「養生テープ」を持っておくことを勧めています。

枕を、製図板の下に敷いて、さらにそれだけだとちょっと心もとないので、養生テープで机に固定するという使い方をします。

 

一級建築士の試験に限ったことではないですが、試験会場へ向かう道中、予備校の人がたくさん待ち構えています。

そういった人たちから、「アンケートに答えると、この必須アイテムをあげます~。」と話しかけられる場合があります。

その試験必須アイテムの中に「枕」「養生テープ」が入っている場合がありますが、その時に初めて、これって何に使うの?と考え始めると精神衛生上よろしくないです。

私の場合は、初受験の会場が大阪府立大学でした。最初から「枕」「養生テープ」がマストな会場として、予備校から事前にレクチャしてもらっていたので、当然のことのように持参するようにしていました。

『持ってない人、逆になんで?』と実は内心思っていました。

ですが、あとあと知り合った受験仲間の皆さんの中には、結構知らない人もいたので、一応紹介してみました。

余談

ちなみに枕は、大手予備校に通っていたら、予備校に言えばもらえると思います。もしもらえなければ、段ボールで自作しましょう。メルカリなどで高額で売っているのを見かけましたが、ボッタクリレベルなので、間違っても買わないようにしましょう。

また、製図板の傾斜の角度は、やはり書き慣れた角度がベストなので、枕が必要な会場と分かった瞬間、あるいは、分からない場合は、なるべく早めに枕を入手して、傾斜に慣れておきましょう。

養生テープは、製図に限らず持っておいて損はしないアイテムなので、とりあえず備蓄しておくことをオススメします。

というのも、2020年は、受験直前に超大型台風が来たせいで、若干養生テープが入手しにくかったという現象が起きました。

台風がくると、ガラスの飛散防止目的で、養生テープを使用する人が多いみたいで、品薄になるみたいなんですね。。。

養生テープ

↑こういった感じです。

おまけ

一級建築士製図試験の勉強期間中は、モチベーションを保つことの難しかったり、先が見えない不安を抱えたり、仕事との両立に悩んだりと、非常に負荷がかかると思います。そんな期間をのりきる私のおすすめの方法は、勉強する仲間を見つけることです。そして、一緒に勉強しましょう。予備校に通って、予備校で一緒に勉強するというのが、一番手っ取り早いですが、なかなかそうもいかない場合もあるかもしれません。

モチベーションを保つために私がやっていた方法をまた別の機会に紹介したいと思いますので、お楽しみに。

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