会計

青色申告の申請手順とメリット サラリーマンが副業で青色申請するための下準備

はじめに

副業をするサラリーマンにとって、節税効果大と色々なところで目にする「青色申告」ですが、一体どういったものなのでしょうか。具体的な手順やメリットについてまとめてみました。

青色申告自体は、申請する側にもメリットがあり、実際に税金を徴収する国税庁も推奨している方法です。

国税庁パンフレット「はじめてみませんか?青色申告」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kichou01.pdf

国税が推奨しているということは、何かウラがありそうな気もします。本当に申請者にデメリットはないのでしょうか。その点についても解説したいと思います。

・そもそも青色申告が何か知りたい
・サラリーマンも副業で青色申告できると聞いたけど、具体的な手順が知りたい
・青色申告のメリット・デメリットが知りたい

青色申告とは

個人事業主が確定申告をする場合、白色申告青色申告の2種類の申請方法があります。

ざっくりいうと、白色申告は簡単で誰でも申請できる方式ですが、青色申告は、申請条件がいくつかあり、条件が厳しい分、節税効果などメリットが多い申告方法なのです。

青色申告ができる人は?

  • 事業所得がある
  • 不動産所得がある
  • 山林所得がある

所得の内容が「給与所得(一部例外を除く)」「譲渡所得」「配当所得」「利子所得」「一時所得」「雑所得」の場合は、青色申告での確定申告はできせん。

青色申告のメリットは

[メリット]

  1. 65万円(最大)の特別控除※を差し引くことができる
  2. 青色事業専従者給与を設けることができる
  3. 純損失の繰越しと繰り戻しができる
  4. 貸倒引当金を設定できる

①は、下記記事でも紹介していますが、控除額が増えて、節税ができる制度です。

すべての社員は今すぐ副業を始めるべし おすすめ副業7選(会社バレ対策あり)

ちなみにこの特別控除額は、採用する帳簿の種類によっても異なります。

複式簿記でしっかりした帳簿を付ければ、最大65万円の控除が得られますが、簡易簿記で帳簿を付けるという選択も可能です。ただし、その場合は、控除額が10万円まで目減りします。

②は、配偶者を従業員として雇うこととして、給与設定ができるようになることで節税が期待できる制度です。日本は、累進課税制度なので、事業主の給与を分配することで税率を下げるなどのメリットがぁります。

③は、赤字でもちゃんと申告して置くことで、翌年度の利益から差し引くことができるという制度です。

④は、青色申告をしている個人事業主の方は、年末に残っている売掛金や貸付金などの売掛債権・金銭債権に対して、5.5%〔金融業の場合は3.3%〕の額を貸倒引当金繰入として必要経費に計上することができるという制度です。これで見かけ上、利益を薄くすることができるので、節税効果もあるわけです。

[デメリット]

  • 複式簿記で帳簿を記帳する必要があり、経理知識が多少は必要

これは、唯一デメリットとして挙げられますが、とっつきにくいというだけです。

会計ソフトをうまい具合に活用することで、ある程度カバーできます。また、事業が軌道に乗ったら、税理士に依頼するという選択肢も出てくるので、あまり気にしなくてもいいです。

国税庁が青色申告をすすめる理由?

冒頭でお伝えしましたが、税金を徴収する側の人間が、わざわざ節税できる方法を推奨しています。なにかおかしいですよね。

理由は、複式簿記にあります。複式簿記は、記帳する労力はかかるものの、単式簿記(白色申告で使用)に比べ、ミスが起こりにくいのです。

このため、税務署側のチェックが非常に楽というメリットがあります。青色申告は、税務署のチェック稼働を事業者に還元する制度とも理解できます。

青色申告の手順は?

実は、青色申告をするためには、主に2つの手順が必要です。この2つの手続きを経て、初めて、青色申告することができるのです。

『手順1』開業届の提出

事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出が必要です。
※提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。

『手順2』所得税の青色申告承認申請書の提出

開業年度から青色申告を希望する場合は、開業から2か月以内(1/1~1/15に開業した場合は、3/15までに提出)が必要です。そうすることで、開業初年度より、青色申告が可能です。

(ここでいう年度とは、事業年度のことで1/1~12/31までの一年間を指します。)

それ以外のタイミングでは、青色申告を行いたい年の3月15日までに提出が必要です。

注意点 手順1、2に分けましたが、同時に書類を提出することもできます。
締め切り過ぎたら、基本的には青色申告の適用は、翌年度からとなります。

 

事業所得と雑所得の境目は?
結構あいまいです。事業所得として認められれば、青色申告が可能ですが、雑所得の場合は、青色申告ができません。「事業かどうか」の判断は明確な基準はないようなのです。事業と言い張れば、主張が通る可能性もあります。
基本的な考え方としては、本業の片手間にやっている場合は雑所得とされ、事業所得と認められるためには継続性があり、相応の人力や設備を投資しているということが条件です。
とりあえず、初年度は環境整備だけするので赤字だが、青色申告すべきか?
当年度は、特別控除などのメリットは得られませんが、翌年度に赤字を繰り越せるので、開業届を出して、青色申告にトライする価値はあると考えます。

青色申告の申請のための勉強

青色申告をするためには、やはりそれなりに簿記の知識があったほうが良いです。

コスパの良い資格でもあるので、やはり簿記3級を取得して、概要をつかんでおいたほうがいいと思います。

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なお、記帳の仕方は、開業初年度で年4回まで税理士の無料個別レッスン※が受けられます。※内容は、所轄の税務署によって異なる場合あり

税務署のサポートサービスらしいですが、すばらしい!

税務署も自分たちの労力を減らすための初期投資として、青色申告のサポートには力を入れているようです。

会計ソフト

会計ソフトもいくつかありますが、有名どころでも、1万円程度で購入可能です。作業が楽になりそうなので、導入してもいいかもしれません。


完全無料ソフトもありますが、ある程度複式簿記の知識が必要となるものが多いようです。
簿記知識の有無によらず、使い勝手が良いものがあれば、多少出費してでも導入するほうが合理的と思います。
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